技能実習と特定技能の違いとは?②
2024.09.13新着情報一覧
今回は技能実習と特定技能の違いについて、実際に雇用した際の費用面や本人たちの能力の違い等について解説します!
・採用から入社にかかる時間、費用の違い
技能実習は基本的日本国外から入国し日本で働くことになります。
よって、母国から日本に来るための渡航費や国外で採用する際の視察費用が発生します。
また、技能実習生は組合や送り出し機関という組織からの支援を受けて日本に来るため、支援に対する人件費も発生します。
実習開始までにかかる費用は約45万円といわれています。
特定技能は採用ルートが国外と国内の二つになります。
国外ルートは技能実習と同様日本国外から採用するルート、国内ルートは日本で働いている特定技能人材の中で転職を希望する人の中から採用するルートです。
よって国外ルートだと、入社までに技能実習と同様か、またはそれ以上の費用が発生してしまいますが、国内ルートでは上記のような費用はほぼ発生しません。
また、採用から入社にいたるまでの時間にも大きな違いがあります。
技能実習は採用後現地で日本語の学習や日本でのルールの教育等の事前教育、技能実習ビザの新規申請を行う必要があり、採用から入社まで長いと約8か月、短くても約4か月、平均約6か月かかります。
特定技能では、国外ルートだと技能実習と同等の期間が必要ですが、国内ルートにすることで、事前教育やビザの新規申請を行う必要がなくなります。採用から入社までにやるべきことは本人の引っ越しやビザの変更申請ぐらいになるので、採用後は1~2か月後に入社可能となります。
半年後の現場の状況が採用時と同じということはほとんどないため、より短い期間で入社でき、かつ費用も安く済む国内ルートは、現場の方にとっても経営側にとっても魅力的なのではないでしょうか。
・日本語能力、技術力の違い
技能実習は最初、日本での就業経験や生活経験のない方になりますので、入社後も継続的な日本語教育や日本でのルールの教育は必須です。仕事面においても、あくまで技能を学びに来ている人材なので、即戦力として働いてもらうことは難しいです。
一方で特定技能は、ほとんどが日本で技能実習を終えた方になるので、少なくとも3年以上は日本での就業経験、生活経験を持っています。
よって、日本語能力が比較的高く、日本でのルールも理解している人が多くなります。また仕事面においても、特定技能のほとんどが技能実習と同じ職種で働いているため、現場での即戦力になります。
・ルール改訂による業務可能内容の違い(残業・夜勤勤の不可、通訳者の配置等)
令和6年4月11日に技能実習制度のルール改訂が発表され、制度内容を改める方針が出されました。
簡単に言うと、制度が始まった当初の「技能を身に着け母国で貢献してもらう」という目的に戻していこうとしたものです。
一番大きなルール改訂は、残業・夜勤・休日出勤の不可です。
技能実習はあくまで「技術を学びに来ている人材」になるため、そのような人材には残業や夜勤、休日出勤をさせてはならないと改めてルールとして決められました。
夜勤をしないと必要な技能を習得できない等の正当な理由があり、それを国に申請することで可能になるケースもありますが、基本的にはNGとされています。
また、技能実習生の通訳ができる人材を常勤として雇用することが望ましいといったルールも追加されています。
詳しくは下のリンクから確認していただければと思います。
https://smooooth7-site-one.ssl-link.jp/sm_jiv221102/uploads/news/615/661db9603331e615.pdf
以上が実際に雇用した際の違いになります。
技能実習と特定技能にそれぞれ良い点と悪い点がございますので、自分たちには何がふさわしいかをしっかり検討して雇用を進めていく必要があります。
今後の技能実習や特定技能の受け入れを検討する際にぜひ参考にしてみてください!