新着情報

育成就労制度とは?

2024.09.16新着情報一覧

今後、技能実習制度は廃止され、新たに育成就労制度が開始となります。

しかし、育成就労制度の中身について、どういった内容の制度になるのか、まだまだ知れ渡っていないのが現状です。

そこで今回は、育成就労の概要と今後のスケジュール等についてまとめていきます。

 

・育成就労制度の概要

育成就労制度とは、現在の技能実習制度に変わって、新たに設けられる外国人雇用の制度です。

日本国内で長く就労する外国人労働者の確保と育成を目的とした制度となっており、外国人が日本企業で3年の教育期間を経て、労働者として活躍できるスキルや知識を習得させる仕組みとなっています。

また、対象とする業種や転籍に関する条件などが見直されます。

 

・育成就労制度が導入される背景

なぜ技能実習制度を廃止し育成就労制度が開始されることになったのか、背景として以下の3つがあげられます。

背景①:労働力不足

背景としてまず挙げられるのは国内における労働力の不足です。

日本では1995年以降、生産年齢人口が減少し続けており、2040年には5,978万人にまで減少することが推定されています。(※2020年時点では7,509万人)

そういった状況では、企業が生産性の向上や人材確保の努力をしても限界があり、外国人労働者の中長期的な活躍が人材不足解消にとって必須になると言えるでしょう。

背景②:国際的な人材獲得競争

次に、国際的な人材獲得競争の激化です。

昨今、技術の発展や移動手段の利便性向上、リモートワークの普及などにより、国を超えて活躍する人材が増えています。

その影響を受け、国際レベルでの人材獲得競争が激化しており、魅力的な外国人就労制度を整えなければ、他国に優秀な外国人労働者が流れてしまうことが予想されます。

実際、近年では台湾や韓国を就労先に選ぶ外国人労働者も増えており、国内制度を整えることが急務となっています。

背景③:技能実習制度の問題点

最後に、技能実習制度の問題です。

技能実習は国際貢献が目的であるにも関わらず、実態としては多くの企業が労働力確保を目的に利用していました。

他にも、監理団体による不適正な受け入れの発生、転籍が制限されることによる労働者としての不十分な権利保護、実習終了後は帰国する仕組みによるキャリアパスの不明確化、悪質な環境や低賃金で働かされる実習生の発生等、外国人労働者の保護が不十分であるといった指摘が多く寄せられており、これらの問題を改善する必要があったと言えるでしょう。

 

・育成就労制度の施行スケジュール

育成就労制度を含めた改正出入国管理法は、可決後3年後までに施行されるとしています。

2024年3月15日に閣議決定した後、同年6月14日に可決されたことにより、技能実習制度は廃止され、新たに育成就労制度が創設されることが決まりました。

同法は2024年6月に可決されたため、2027年の運用開始が目途となり、そこに向けて様々な要件の検討や詳細決めが行われることになると思われます。

 

以上が、育成就労制度の概要や背景になります。

次回は、技能実習制度と育成就労制度の違いや、受け入れ企業のメリットについてまとめていきます。

Contact

オンラインのお打合せにも対応しております。
お気軽にお問い合わせ下さい。

pagetop