ベトナムの特定技能人材を受け入れる際に関わる機関、必要な手続きとは?
2024.09.30新着情報一覧
前回、フィリピンの特定技能人材を受け入れる際に関わる機関や必要な手続きについてまとめましたが、今回はベトナムの特定技能人材を受け入れる際に関わる機関や必要な手続きについてまとめていきます。
・DOLABについて
「DOLAB」とは、ベトナムにある「ベトナム労働・傷病兵・社会問題省(MOLISA)」の海外労働管理局のことです。
ベトナム出身の出稼ぎ労働者の管理などを行っており、ベトナムから海外各国へ労働者を派遣したい現地の企業は、必ずDOLABで承認を得る手続きになっています。
DOLABから「海外へ労働者を派遣していいよ」と承認を得た企業が、いわゆる「送り出し機関」に該当し、いわば「ベトナム人を海外に派遣・労働する際の門番」のような役割を果たしています。
・国外から採用する際の流れ
1.受入機関と送出機関との労働者提供契約の締結
日本の受入機関が、ベトナムの特定技能人材を受け入れる際はベトナムの制度上、DOLABから認定された送出機関(以下、「認定送出機関」という。)との間で募集する業種や募集人数、労働条件等を定めた「労働者提供契約」を締結する必要があります。
労働者提供契約締結後、受入機関は認定送出機関を通じてDOLABに対し労働者提供契約の承認申請を行い、DOLABの承認を得る必要があります。
2.雇用契約の締結
認定送出機関は、上記1で締結した労働者提供契約に基づいた求人情報を基に適切な人材を募集し、受入機関は同送出機関から人材の紹介を受けて特定技能に係る雇用契約を締結します。
3.推薦者表(特定技能外国人表)の発行申請
ベトナムの申請者は、認定送出機関を通じ、あらかじめDOLABから推薦者表(協力覚書の添付様式1)の承認を受ける必要があります。
なお推薦者表は、ベトナムの制度上ベトナム人材が海外での就労についてベトナム側の手続きを完了したことをベトナム政府が証明する文書です。この推薦者表は、在留資格認定証明書交付申請において提出する必要があるので、受入機関はベトナム国籍の方に対し推薦者
表の送付を依頼する必要があります。
4.在留資格認定証明書の交付申請
受入機関は地方出入国在留管理官署に対し、特定技能に係る在留資格認定証明書の交付申請を行います。認定送出機関から送付してもらった推薦者表の提出も必要です。同証明書が交付された後に雇用契約の相手方に対し、同証明書の原本を送付します。
5.査証発給申請
雇用契約の相手方で、特定技能外国人として来日を希望するベトナム人材は、在留資格認定証明書を在ベトナム日本国大使館に提示の上、特定技能に係る査証発給申請を行うことになります。
6.特定技能外国人として入国・在留
上記の手続を行ったベトナム人材は、日本到着時の上陸審査の結果、上陸条件に適合していると認められれば、上陸が許可され、「特定技能」の在留資格が付与されます。
・国外から採用する際の流れ
1.雇用契約の締結
受入機関が日本に在留するベトナム国籍の方を特定技能外国人として受け入れたい場合、受入機関とその方との間で特定技能に係る雇用契約を締結します。
2.推薦者表(特定技能外国人表)の発行申請
「特定技能」への在留資格変更を希望するベトナム人材、受入機関、職業紹介事業者又は登録支援機関は、あらかじめ駐日ベトナム大使館から推薦者表(協力覚書の添付様式2)の承認・発行を受ける必要があります。
3.在留資格変更許可申請
雇用契約の相手方であるベトナム人材が特定技能外国人として就労するためには、この方が地方出入国在留管理官署に対し、「特定技能」への在留資格変更許可申請を行う必要があります。推薦者表の提出も必要です。なお、在留資格「特定技能」により在留中の方については、推薦者表を改めて取得し、提出いただく必要はありません。
また、在留資格「特定技能」の中で転職により、受入れ機関又は分野を変更するために在留資格変更許可申請を行う場合や、在留期間更新許可申請を行う場合には、推薦者表の提出は必要ありません。
在留資格の変更が許可されれば、手続は完了です。
なお、在留資格変更許可申請の際に「特定技能移行準備のための特定活動」に変更をし、その後特定技能1号への変更申請を行った場合は推薦者表の発行申請や提出は不要になります。
以上がベトナムの特定技能人材を受け入れる際に関わる機関や必要な手続きについてです。
フィリピンに比べると手続きの手順も少なく、受入機関での受け入れ前にやるべきことも少ないのが特徴です。
これまで特定技能人材を受け入れた経験がない企業にとっては手を出しやすい国籍といえます。
ぜひ、参考にしていただければと思います。