ミャンマーの特定技能人材を受け入れる際に必要な手続きとは?
2024.10.03新着情報一覧
前回に引き続き、今回はミャンマーの特定技能人材を受け入れる際に必要な手続きについてまとめていきます。
ミャンマーは特定技能として日本に在留している人数が全体で4番目に多く、受け入れを進めている企業が増加している国籍です。
現地からの採用、日本に在留する方の採用で手続きも異なるため、どのような違いがあるのかまとめていきます。
・国外からミャンマーの人材を受け入れる際に必要な手続きについて
1.求人票の許可・承認
受入機関はミャンマー国籍の方を現地から新たに特定技能人材として受け入れるに当たり、ミャンマーの制度上、ミャンマー政府から認定を受けた現地の送出機関を通じて、人材の紹介や雇用契約の締結を求められます。
また送出機関が求人を行う際は、受入機関から提出された求人票をミャンマー労働・入国管理・人口省(MOLIP:Ministry of Labour, Immigration and Population)に提出し、求人票の許可・承認を得る必要があります。
2.雇用契約の締結
求人票の許可・承認を得た後に、認定送出機関が求人票を基に適当な人材を募集し、受入機関は、同送出機関から人材の紹介を受けて特定技能に係る雇用契約を締結します。
3.在留資格認定証明書の交付申請
受入機関は、地方出入国在留管理局に対し、特定技能に係る在留資格認定証明書の交付申請を行います。
4.海外労働身分証明カード(OWIC:Overseas Worker Identification Card)の申請
特定技能外国人として来日する前に、MOLIPに海外労働身分証明カード(OWIC)の申請を行います。これはミャンマー人が特定技能外国人として日本で働くために必要な許可証です。
このカードを取得するにはミャンマー国内と日本側でそれぞれ手続きを行う必要があり、発行には約2週間~数月程掛かるため、雇用をスタートする日程から逆算して余裕を持って準備することが大切です。
また、OWICの有効期限は5年であり、5年ごとに更新が必要になりますので更新忘れがないように注意する必要があります。
5.査証発給申請
特定技能人材として来日予定のミャンマー国籍の方は、郵送された在留資格認定証明書を在ミャンマー日本国大使館に提示の上、特定技能に係る査証発給申請を行うことになります。
6.特定技能外国人として入国・在留
上記の手続を行ったミャンマー国籍の方は、日本での上陸審査の結果、上陸条件に適合していると認められれば、上陸が許可され、「特定技能」の在留資格が付与されます。
・国内からミャンマーの人材を受け入れる際に必要な手続きについて
1.雇用契約の締結
受入機関は日本に在留するミャンマー国籍の方を特定技能外国人として受け入れたい場合、就業を希望する人材と特定技能に係る雇用契約を締結します。この時現地の送出機関を通じて行う必要はありません。
2.パスポートの(更新)申請
雇用契約締結後に、在日本ミャンマー大使館においてパスポートの(更新)申請を行います。
3.在留資格変更許可申請
地方出入国在留管理局に対し「特定技能」への在留資格変更許可申請を行い、在留資格の変更が許可されれば、手続は完了です。
以上がミャンマーの特定技能人材を受け入れる際に必要な手続きになります。
他の国籍に比べると手続きの量が少ないことが特徴であり、ベトナムと同様に、これまで特定技能人材を受け入れた経験のない企業様にとって始めやすい国籍といえます。
ミャンマーの人材を受け入れることによって、若い人材の確保や日本になじみやすい人材の確保等メリットは多々ありますが、一方でミャンマー側の情勢の不安定さ、それに伴う失踪や逃走の増加等、デメリットもあります。
また、出入国在留管理局より、9月27日に「技能実習」の在留資格を持つミャンマー人の「特定活動」へ切り替える際の審査を10月から厳格化するという発表もあり、特定技能に関しても影響が出てくると考えられます。
より慎重な国籍の選定が重要になります。