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特定技能「工業製品製造業」とは?

2024.10.15新着情報一覧

今回は特定技能の分野の一つである工業製品製造業についてまとめていきます。

工業製品製造業分野では、工業製品の製造を担う外国人労働者を特定技能として受け入れています。

10月以降名称が「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」から「工業製品製造業」に変更となり、業務内容の面で様々な改定があり、今受け入れの拡大が進んでいる分野になります。

どのような改定があったのかも含めてまとめていきます。

 

1.業務内容

基本的には指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、決められた製品の製造作業、その他付随業務に従事します。

10月以前の法務省で定められた業務区分に新たに以下の業務区分が追加され、現在は10区分となっています。

それぞれの区分における業務内容は以下の通りです。

 

・機械金属加工区分

指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、鋳造 、鍛造 、ダイカスト 、機械加工 、金属プレス加工 、鉄工 、工場板金 、仕上げ 、プラスチック成形 、機械検査 、機械保全 、電気機器組立て 、塗装 、溶接 、工業包装 、強化プラスチック成形 、金属熱処理業等の素形材製品や産業機械等の製造工程の作業、その他付随業務に従事

・電気電子機器組立て区分

指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、機械加工 、仕上げ 、プラスチック成形 、プリント配線板製造 、電子機器組立て、電気機器組立て 、機械検査 、機械保全 、工業包装 、強化プラスチック成形等の電気電子機器等の製造工程、組立工程の作業、その他付随業務に従事

・金属表面処理区分

指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、めっき 、アルミニウム陽極酸化処理等の表面処理の作業、その他付随業務に従事

・紙器・段ボール箱製造区分

指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、紙器・段ボール箱の製造工程の作業、その他付随業務に従事

・コンクリート製品製造区分

指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、コンクリート製品の製造工程の作業、その他付随業務に従事

・RPF製造区分

指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、破砕・成形等の作業、その他付随業務に従事

・陶磁器製品製造区分

指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、陶磁器製品の製造工程の作業、その他付随業務に従事

・印刷・製本区分

指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、オフセット印刷、グラビア印刷、製本の製造工程の作業、その他付随業務に従事

・紡織製品製造区分

指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、紡績運転 、織布運転 、染色 、ニット製品製造 、たて編ニット生地製造 、カーペット製造等の紡織製品の製造工程の作業、その他付随業務に従事

・縫製区分

指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、婦人子供服製造 、紳士服製造 、下着類製造 、寝具製作 、帆布製品製造 、布はく縫製、座席シート縫製等の縫製工程の作業、その他付随業務に従事

 

その他付随業務に関しては、「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えない」とされており、付随業務に当たり得るものとして、原材料・部品の調達・搬送作業、各職種の前後工程作業、クレーン・フォークリフト等運転作業、清掃・保守管理作業等が想定されています。

また、経済産業省では、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、金属表面処理業、鉄鋼業、金属製サッシ・ドア製造業、プラスチック製品製造業、紙器・段ボール箱製造業、コンクリート製品製造業、陶磁器製品製造業、繊維業、金属製品塗装業、RPF製造業、印刷・同関連業、こん包業の15業種としており、この業種に当てはまった業務を行っているかによって協議会への加入、特定技能人材を雇用できるかが決まってきます。

法務省で定められている「業務区分」と経済産業省で定めている「業種」は内容は同じですが記載がところどころ異なるため注意が必要です。

 

2.業務可能な場所

経済産業省が定めている協議会へ加入申請を行い、申請が認められて協議会へ加入できた事業所において勤務することが可能です。

また、特定の業種においては別途基準をクリアしている必要があります。業種と基準については以下の通りです。

 

・繊維業

国際的な人権基準に適合し事業を行っていること、勤怠管理を電子化していること、パートナーシップ構築宣言を実施していること、特定技能外国人の給与を月給制とすること

・印刷・同関連業

全日本印刷工業組合連合会、全国グラビア協同組合連合会、全日本製本工業組合連合会のいずれかに所属していること

・こん包業

日本梱包工業組合連合会に所属していること

 

3.協議会について

協議会への加入は、特定技能人材の雇用を開始する前に加入することが求められます。

また、工業製品製造業での協議会加入に関しては、他の分野と比べ提出する資料が多く、作成に関しても多くのルールがあるため、企業内での作成となるとかなりの時間と手間を要します。

また、申請から加入まで約2~3か月を要し、今回区分が拡大されたことによりさらに多くの時間を要する可能性があります。

協議会への加入にはお金がかからず、加入後の支払いも現状ではないため、将来的に特定技能人材の雇用を検討している企業はまず協議会の加入だけでも済ませておくことをお勧めします。

また、加入時に作成する資料作りに関しても、登録支援機関や行政書士に費用を払うことで委託が可能になるため、併せて検討してみてもいいのではないでしょうか。

 

4.特定技能1号ビザ取得の条件

特定技能1号の資格を取得するためには、主に次の2つの要件を満たす必要があります。

 

・技能試験の合格

製造分野特定技能1号評価試験に合格する必要があります。この試験では、製造業の各業務に関する基本的な知識と実務能力を評価します。主に実技試験と筆記試験の2種類があり、受験者の職務適性を測定します。

・日本語能力試験の合格

製造現場では日本語でのコミュニケーション能力が必要であり、日本語能力試験(JLPT)N4相当以上の日本語スキルを証明する必要があります。

 

5.在留資格の期間と条件

特定技能1号の在留資格は、最長5年間の就労が可能です。

この期間中に、働く企業や職場環境を変更することも可能ですが、その際には新たな職場が特定技能の認定を受けている必要があります。

なお、「製造分野特定技能2号評価試験」及び「ビジネス・キャリア検定3級」、「技能検定1級」等の合格、実務経験の要件を満たすことで特定技能2号への移行が可能も可能になり、さらなる長期滞在や家族帯同も認められます。

 

6.給与と労働条件

賃金や福利厚生は通常の日本人の現場従事者と同等、もしくはそれに準ずる額が支払われます。

基本的には、労働基準法に基づき、労働時間や休憩時間、残業代などが適用されるため、日本人労働者と同等の待遇が保障されています。

また雇用契約は、基本的にフルタイムでの直接雇用になります。

 

 

特定技能人材は、長期にわたって日本で働くことができるため、人手不足を抱える製造業にとっては重要な労働力です。

一方で、言語の壁や文化の違いから、企業が外国人労働者を受け入れる際のサポート体制の強化が課題となります。

また、労働者の適応や長期雇用の維持も課題となります。

特定技能の工業製品製造業分野は、日本の製造業における深刻な人手不足を補う重要な分野として期待されています。

人材の獲得が困難な企業様はぜひ導入をご検討ください。

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