特定技能「自動車整備」とは?
2024.10.09新着情報一覧
今回は特定技能の分野の一つである自動車整備についてまとめていきます。
自動車整備分野では、自動車の整備業務を担う外国人労働者を特定技能として受け入れています。
1. 業務内容
自動車整備分野における特定技能の仕事は、自動車のメンテナンスや修理を行うのが主な役割です。具体的には、以下の業務が含まれます。
・点検
エンジン・オイル、タイヤの空気圧、ホイール、ホイールナット等の状態、タイヤの溝の深さ・損傷、異物の有無等の車両の各部位の点検作業を行い、異常がないかを確認します。
点検には走行距離や運行時の状態などから判断して行う日常点検、ステアリング装置、ブレーキ装置、電気装置、原動機等、運行によって部品や装置の損傷、緩み、劣化等が生じていないか、故障や事故を防ぐために行う定期点検があります。
定期点検は自動車の区分によって実施時期や点検基準が異なり、日常点検よりも専門的な知識や技術が必要なので、整備工場に依頼されることが多いです。
・特定整備
定期点検の際に取り外さなければ実施できない、あるいは点検の結果により取り外しが必要となる整備・改造のことです。
詳しい業務内容は以下の通りです。
①自動運行装置の取り外しや作動に影響を及ぼすおそれのある整備・改造
②衝突被害軽減ブレーキ、レーンキープ機能に用いられる、前方をセンシングするためのカメラ等の取り外しや機能調整
③上記に係るカメラ、レーダー等が取り付けられている車体前部(バンパ、グリル)、窓ガラスの脱着
・点検・整備に係る付随業務
電子制御装置の整備や板金塗装、納車、洗車等は付随業務として行うことが可能です。
・診断とテスト
故障原因の診断を行い、必要に応じてテスト走行を行って、修理内容を確認します。
・カスタマーメンテナンスのアドバイス
顧客に対して車両のメンテナンスや修理後のアドバイスを行い、トラブルの予防につながる情報を提供します。
これらの業務は、整備士の技能と知識が問われるため、特定技能ビザを取得する際にも十分な実力を証明する必要があります。
2.業務可能な場所
道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第78条第1項に基づく、地方運輸局長の認証を受けた事業場で、協議会に加入している事業場にて受け入れが可能です。
よって、四輪の自動車を整備している工場だけでなく、バイク専門の整備工場でも地方運輸局長の認証を受けた事業場であれば特定技能人材の受け入れが可能です。
また、整備工場だけでなく、ガソリンスタンド、カー用品店、中古車販売店など自動車の点検・整備サービスを行っているお店でも地方運輸局長からの認証を受けた「認証工場」であれば、特定技能人材を受け入れることが可能です。
ただし、特定技能外国人が従事しなくてはいけない主な業務は日常点検、定期点検、特定整備なので、ガソリンスタンドにて給油や洗車ばかりに従事させることはできません。
2. 特定技能1号ビザ取得の条件
特定技能1号の資格を取得するためには、主に次の2つの要件を満たす必要があります。
・技能試験の合格
日本の自動車整備分野に特化した特定技能評価試験に合格する必要があります。この試験では、自動車の整備知識や修理技能が問われま す。内容は実技テストと筆記テストで、基本的な整備知識と安全作業に関する知識が試されます。
・日本語能力試験の合格
日常会話レベル(日本語能力試験N4程度)の日本語能力が必要です。整備の現場では日本語でのコミュニケーションが不可欠なため、基礎的な日本語の読み書きや会話能力が求められます。
3. 在留資格の期間と条件
特定技能1号の在留資格は、最長5年間の就労が可能です。この期間中に、働く企業や職場環境を変更することも可能ですが、その際には新たな職場が特定技能の認定を受けている必要があります。なお、特定技能2号への移行が可能な業種に該当する場合は、さらに長期の在留も可能になり、家族帯同も認められます。
4. 外国人労働者受け入れのサポート体制
日本の自動車整備分野の企業では、外国人労働者が円滑に業務に従事できるようにサポート体制を整備しています。具体的には以下のような取り組みが一般的です。
- 言語サポート:職場でのコミュニケーションをスムーズにするため、日本語教育や通訳サポートを提供する企業もあります。
- 職業トレーニング:日本の整備技術や作業手順について学べる研修や、資格取得のための支援が行われることがあります。
- 住居と生活サポート:住居の手配や生活に必要なサポートを提供することで、異国での生活をサポートしています。
- 文化の理解:日本の仕事文化や習慣に適応できるようにするためのオリエンテーションや研修も実施されることがあります。
5. 給与と労働条件
特定技能の自動車整備分野に従事する外国人労働者の給与は、通常の日本人整備士と同等、もしくはそれに準ずる額が支払われます。基本的には、労働基準法に基づき、労働時間や休憩時間、残業代などが適用されるため、日本人労働者と同等の待遇が保障されています。
6. キャリアパスと将来性
特定技能1号の資格は5年間ですが、その後のキャリアとしては、専門学校での更なる技術習得や、日本の資格取得を目指すことも可能です。特定技能の取得を通じて日本での就労経験を積むことで、さらなるキャリアの可能性が広がります。
自動車整備分野における特定技能ビザは、外国人労働者にとって、日本での就労と技術習得の機会を提供する一方で、日本の自動車産業の人手不足の解消に貢献しています。
人材の獲得が困難な企業様はぜひ導入をご検討ください。