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特定技能「造船・舶用工業」とは?

2024.10.18新着情報一覧

今回は特定技能の分野の一つである造船・舶用工業についてまとめていきます。

日本の造船業界や舶用機器製造業界は、世界でも高い技術力を誇りますが、深刻な人手不足に直面しています。

そこで、日本では外国人労働者に対し、特定技能ビザを通じて造船・舶用工業分野での就労の機会を提供しています。

 

 

1.業務内容

基本的には監督者の指示を理解し又は自らの判断により各種製造作業、その他付随業務に従事します。

現在3つの区分となっており、それぞれの区分における業務内容は以下の通りです。

・造船区分

監督者の指示を理解し又は自らの判断により溶接、塗装、鉄工、とび、配管、船舶加工等の船舶の製造工程の作業、その他付随業務に従事

・舶用機械区分

監督者の指示を理解し又は自らの判断により溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、配管、鋳造、金属プレス加工、強化プラスチック成形、機械保全、船用機械加工等の舶用機械の製造工程の作業、その他付随業務に従事

・舶用電気電子機器区分

監督者の指示を理解し又は自らの判断により機械加工、電気機器組立て、金属プレス加工、電子機器組み立て、プリント配線板製造、配管、機器保全、船用電気電子機器加工等の舶用電気電子機器の製造工程の作業、その他付随業務に従事

 

その他付随業務に関しては、「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えない」とされており、付随業務に当たり得るものとして、読図作業、作業工程管理、検査(外観、寸法、材質、強度、非破壊、耐圧気密等)、機器・装置・工具の保守管理、機器・装置・運搬機の運転、資材の材料管理・配置、部品・製品の養生、足場の組立て・解体、廃材処理、梱包・出荷、資材・部品・製品の運搬、入出渠、清掃が想定されています。

 

2.業務可能な場所

まず特定技能外国人の受入れをするためには、国土交通省より「造船・舶用工業分野に係る事業を営む者であること」の確認を受ける必要があります

確認手続き完了後、「確認通知書」が受入れ機関に交付されるため、当該通知書の写しをビザ(在留資格)申請時に申請書類とあわせて管轄の出入国在留管理局に提出する必要があります。

 

3.協議会について

造船・舶用工業分野において、国土交通省により協議会が設置されており、特定技能外国人を受入れるにあたって、受入れ機関は協議会の構成員になる必要があります。

協議会の構成員になるためには、事前に前述の国土交通省からの「確認通知書」が交付されていることが必要となります。

また、協議会へは特定技能人材の在留申請を行う前に加入する必要があります。

よって、受け入れたい時期に合わせて、「確認通知書」の交付、協議会の加入を進める必要があります。

なお、この分野では特定技能人材の管理・支援を行う登録支援機関も協議会に加入する必要があるため、支援委託をする登録支援機関が協議会に入っているか、今後加入は可能か等を確認する必要があります。

 

4.特定技能1号ビザ取得の条件

特定技能1号の資格を取得するためには、主に次の2つの要件を満たす必要があります。

・技能試験の合格

対象となる職種に関連した技能試験に合格する必要があります。

試験の内容は、具体的な職種によって異なり、溶接、配管、機械加工、板金作業、塗装、船体組み立てなど、それぞれの分野ごとに特定の技能を評価する項目が設けられています。

実技試験と筆記試験が行われることが多いです。

・日本語能力試験の合格

作業現場では日本語でのコミュニケーション能力が必要であり、日本語能力試験(JLPT)N4以上、日本語基礎テスト (JFT-Basic)相当以上の日本語スキルを証明する必要があります。

 

5.在留資格の期間と条件

特定技能1号の在留資格は、最長5年間の就労が可能です。

この期間中に、働く企業や職場環境を変更することも可能ですが、その際には新たな職場が特定技能の認定を受けている必要があります。

なお、「造船・舶用工業分野特定技能2号試験」又は、「技能検定1級」の合格、作業現場において複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての実務経験を満たすことで特定技能2号への移行が可能になり、さらなる長期滞在や家族帯同も認められます。

 

.給与と労働条件

賃金や福利厚生は通常の日本人の現場従事者と同等、もしくはそれに準ずる額が支払われます。

基本的には、労働基準法に基づき、労働時間や休憩時間、残業代などが適用されるため、日本人労働者と同等の待遇が保障されています。

また雇用契約は、基本的にフルタイムでの直接雇用になります。

 

 

造船・舶用工業分野における特定技能労働者の雇用は、人手不足を解消する効果的な手段であり、技術の伝承や多様性の向上にも寄与します。

一方で、言語の壁や文化の違い、生活支援の必要性などの課題も存在しますが、これらの課題に対応するためのサポート体制を整えれば、外国人労働者は造船業界で重要な役割を果たすことができ、企業の成長にも大きく貢献するでしょう。

人材に関する悩みの解決のため、ぜひ受け入れをご検討ください。

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