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特定技能「飲食料品製造業」とは?

2024.10.29新着情報一覧

今回は特定技能の分野の一つである飲食料品製造業ついてまとめていきます。

日本の飲食料品製造業分野では、深刻な人手不足が続いています。

機械化の限界もあり労働生産性が低いことや、給与も低いという傾向にあることから、他の待遇がよい業種へ転職する人も多く、人材がなかなか安定せず、非正規労働者やパートタイム労働者が多くなっています。

そのため飲食料品製造業分野は、一定の技能を持った外国人材の受入れができる特定産業分野の一つとなっています。

そこで今回は、飲食料品製造業分野において特定技能のビザを取得することで、どのような業務に従事できるのか、必要な条件等についてまとめていきます。

 

1.業務内容

飲食料品の製造・加工、安全衛生の確保、その他付随業務等に従事します。

「製造・加工」とは、原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥等の一連の生産行為等をいいます。

単なる選別、包装(梱包)の作業は認められません。

「安全衛生」とは、使用する機械に係る安全確認、作業者の衛生管理等、業務上の安全衛生及び食品衛生の確保に係る業務をいいます。

製造品として、畜産・水産食料品、調味料、糖類、製粉、パン・菓子、動植物油脂、清涼飲料、茶・コーヒー等様々です。

ただし、酒類製造業、飲食料品小売業、飲食料品卸売業、塩製造業、医療品製造業、香料製造業、ペットフードの製造は対象外となっています。

 

その他付随業務に関しては、「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えない」とされており、付随業務に当たり得るものとして、以下の内容が想定されています。

・原料の調達・受入れ
・製品の納品
・清掃
・事業所の管理の作業

 

2.業務可能な場所

飲食料品製造業分野においては、特定技能外国人が業務に従事する受入機関の事業所が、日本標準産業分類に掲げる産業のうち、対象となる食料品、飲料(酒類除く)を製造加工し、卸売することを主たる業務としていることが求められます。

そして次の要件を備えている必要があります。

・経済活動が単一の経営主体の下において一定の場所すなわち一区画を占めて行われていること。

・財又はサービスの生産と供給が、人及び設備を有して、継続的に行われていること。

受入機関は、事業所の要件を満たす旨を「飲食料品製造業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書」で誓約する必要がありますが、もし事業所の要件を満たさないにも関わらず、同誓約書を提出し、在留資格「特定技能1号」を取得した場合には、在留資格等不正取得罪となるので注意する必要があります。

 

3.協議会について

飲食料品製造業分野において、農林水産省により協議会が設置されており、特定技能外国人を受入れるにあたって、受入れ機関は協議会の構成員になる必要があります。

協議会へは特定技能人材の在留申請を行う前に加入する必要があるため、受け入れたい時期に合わせて、協議会の加入を進める必要があります。

なお、飲食料品製造業分野において特定技能人材の支援を登録支援機関に委託する場合、登録支援機関も協議会に加入している必要があります。

よって、支援委託をお願いする登録支援機関が協議会に加入しているか確認を行う必要があります。

 

4.特定技能1号ビザ取得の条件

特定技能1号の資格を取得するためには、主に次の2つの要件を満たす必要があります。

・技能試験の合格

飲食料品製造業の特定技能評価試験は、実際の現場で求められる知識や技術を評価するために、筆記試験と実技試験の形式で行われます。この試験は、日本国内の試験会場に加えて、外国の指定会場でも実施されるため、海外からの受験も可能です。

試験は、主に以下の内容で構成されています

  • 衛生管理:食品製造において衛生管理は非常に重要です。手洗いや衛生服の着用、食品の温度管理、異物混入防止などの知識が求められます。
  • 製造工程の基本:原材料の加工や調理、包装といった食品製造の基本的な工程についての理解が必要です。また、製造ラインの操作や製造機器の使用方法も問われます。
  • 安全管理:作業現場での安全対策や機械の安全な取り扱いに関する知識も必要です。事故防止のための手順や、危険な状況への対処方法についても試験に含まれます。
  • 品質管理:製品の品質を維持するための検査方法や不良品の見分け方、品質に影響する要因など、品質管理に関する基本的な知識も問われます。

・日本語能力試験の合格

製造現場において日本語でのコミュニケーション能力も求められており、日本語能力試験(JLPT)N4以上、日本語基礎テスト (JFT-Basic)相当以上の日本語スキルを証明する必要があります。

 

5.在留資格の期間と条件

特定技能1号の在留資格は、最長5年間の就労が可能です。

この期間中に、働く企業や職場環境を変更することも可能ですが、その際には新たな職場が特定技能の認定を受けている必要があります。

なお、「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」の合格、複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験を満たすことで特定技能2号への移行が可能になり、さらなる長期滞在や家族帯同も認められます。

 

.給与と労働条件

賃金や福利厚生は通常の日本人の現場従事者と同等、もしくはそれに準ずる額が支払われます。

基本的には、労働基準法に基づき、労働時間や休憩時間、残業代などが適用されるため、日本人労働者と同等の待遇が保障されています。

また雇用契約は、基本的にフルタイムでの直接雇用になります。

 

 

飲食料品製造業分野での特定技能制度の導入は、労働力不足の解消即戦力の確保、多様性の促進など多くのメリットをもたらします。

外国人特定技能人材の雇用により、技能を習得した若手人材の確保だけでなく、多様な文化や価値観が職場に取り入れられ、職場環境の多様性が促進されます。これにより、柔軟で開かれた職場文化が形成され、従業員全体の意欲向上やチームワークの改善にもつながることがあります。

一方で、言語や文化の違い労働条件の整備と管理負担、長期雇用の不安定さなどの課題に対処する必要があります。

特に飲食料品製造業分野の中小企業様にとっては、この人材確保に関して非常に悩ましい思いをされているのではないでしょうか。

外国人労働者が安心して働けるよう職場内でのサポート体制を強化し、外国人従業員が働きやすい環境づくりを進めることで、制度を成功させることが、今後の人材の獲得・定着のために求められる要件です。

今後の人材獲得のために、ぜひ参考にしてみてください。

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