2026年の外国人雇用は「育成型」へ。法改正を乗り越え、選ばれる企業になるための戦略的マネジメント
2026年3月10日、政府は入管法改正案を閣議決定しました。今回の改正により、外国人材の雇用に関わる在留手続きの手数料上限が大幅に引き上げられる見通しです。外国人雇用の枠組みは今、「労働力の確保」から「キャリア形成と定着」へと大きく舵を切りました。
💡 経営者の視点:コスト増は「選別」のサイン
安価な雇用が難しくなる今、求められるのは「コストをかけてでも定着させたい」と思われる企業努力です。この法改正を、自社の採用力・育成力を強化するチャンスと捉えましょう。
安価な雇用が難しくなる今、求められるのは「コストをかけてでも定着させたい」と思われる企業努力です。この法改正を、自社の採用力・育成力を強化するチャンスと捉えましょう。
制度変更の具体的内容:手数料とカードの一体化
今回の法改正および閣議決定のポイントは主に3点です。実務コストと管理フローに直結する変更が含まれています。
- 手数料の法定上限引き上げ:在留資格の変更・更新は最大10万円、永住許可は最大30万円へ。※1
- 特定在留カードの導入(2026.6.14〜):マイナンバーカードとの一体化で利便性は向上しますが、企業側での有効期限確認フローの変更が必要です。
- 123万人受入れ枠の正式決定:物流・リネン・資源循環を含む新分野が本格始動し、特定技能(※2)の採用チャンスが広がります。
※1 実際の金額は今後政令で決定されます。
※2 特定技能:深刻な人手不足16分野で認められる在留資格。一定の専門性と日本語能力が求められ、企業には生活支援等の法的な義務が発生します。
実務への影響:今すぐ準備すべき3つのこと
手数料の引き上げは「実務コスト」の増加を意味します。以下の3点を経営戦略に組み込んでください。
- 申請費用の予算確保:印紙代の大幅増を見越し、次年度の採用コスト枠を現行の1.5倍〜2倍程度で試算しておく必要があります。
- 不法就労防止のデジタル化:特定在留カード導入に伴い、券面目視だけでなく、ICチップ読み取りアプリ等を用いた正確な在留管理体制を整えてください。
- 育成型マネジメントへの移行:コスト増を補うため、長期定着(特定技能2号への移行)を前提としたキャリアパスを提示し、離職リスクを最小限に抑えることが重要です。
まとめ:専門家としての視点
今回の改正は、外国人材を単なる「手伝い」ではなく「社会の構成員」として管理・サポートしていく政府の決意の表れです。手続きのデジタル化が進む中で、企業に求められるのは「コンプライアンス(法令遵守)の徹底」と「定着支援」の両立です。
「安価な労働力」としての雇用は終わりました。コスト増を「優秀な人材を確保するための投資」と捉え、選ばれる企業努力を始めることが、2026年以降の勝機となるでしょう。

