派遣社員と特定技能の違いとは?
2024.09.11新着情報一覧
外国籍の方の雇用方法は様々ありますが、長年多くの企業が使用してきた雇用方法として「派遣」があります。
本日は「派遣」と「特定技能」におけるいくつかの重要な違い、それぞれの特徴を説明します。
〇派遣
定義: 派遣社員は、派遣会社に雇用され、派遣先の企業で働きます。派遣社員の雇用主は派遣会社であり、派遣先の企業は直接雇用していません。
業務範囲: 派遣労働者は幅広い業種で働けますが、労働者派遣法で制限されている業務もあります。また、派遣労働は短期間であることが多いです(最大3年間の制限あり)。
契約期間: 派遣の契約期間は比較的短期間であり、派遣先と派遣会社間で契約が更新されることもありますが、派遣労働者自身は派遣会社と継続的な雇用契約を持ちます。
メリット: 派遣会社が仕事を探すためのサポートを行うため、外国人労働者は比較的容易に仕事を見つけることができます。
〇特定技能
定義: 「特定技能」は、日本で新たに導入された在留資格の一つで、特定の産業分野で即戦力として働く外国人労働者向けの制度です。特定技能の労働者は、雇用主と直接雇用契約を結びます。
業務範囲: 特定技能は現在特定の12分野(例:介護、建設、製造業など)に限定されており、その分野での専門的なスキルや知識が必要です。
契約期間: 特定技能1号は最大5年間、特定技能2号では無期限で日本に滞在可能です。
メリット: 特定技能の労働者は、職業スキルを持つため、安定した雇用関係を築きやすく、長期的なキャリアパスも考えられます。また、特定技能2号になると家族を帯同することが可能になります。
主な違いまとめ
・雇用形態
派遣: 派遣会社が雇用主。
特定技能: 直接雇用。
・業務の範囲
派遣: 幅広い業種で可能だが、制限あり。
特定技能: 特定の12分野に限定。
・在留資格の制限
派遣: 永住権、定住権、配偶者ビザ等を持つ人材の雇用になるため更新していけば滞在可能。
特定技能: 特定技能1号で5年間、2号で無期限滞在可能。
・ビザ・在留資格の管理
派遣: 派遣会社がサポートする場合と自身で手続きを行う場合がある。
特定技能: 登録支援機関がビザの手続きをサポート。
・人件費
派遣:厚生労働省の「令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」によると、全職種平均で派遣料金は1日(8時間)あたり24,909円、派遣社員の賃金は15,968円、時給換算すると単価は3,114円、派遣社員の時給は1,996円となっている。企業間での人材確保を目的とした単価の上昇も発生しており、年々上がり続けている。
特定技能:厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、全職種平均で月給198,000円、時給にすると1,179円になります。派遣のような時給の上昇は現状そこまで活発ではありません。しかし、今後扱える業種が増えると派遣のような人材の取り合い、時給の上昇が発生する可能性もあります。
また、派遣社員を特定技能に切り替えることで、一人当たり年間で約150万円削減できるという試算も出ています。
どちらの制度も外国籍労働者を日本に雇用するための有効な手段ですが、それぞれの目的や条件によって適切な選択が必要です。
しかし、中小企業にとって大企業を相手に派遣単価では歯が立たないのが現状です。
人材確保、人件費削減のためにも、特定技能人材の受け入れをご検討してみてください!